妻と同性の不倫相手に賠償命令
妻と不倫した女性に夫が損害賠償を請求できるかどうかが争われた訴訟で、東京地裁(内藤寿彦裁判官)が先月、同性同士の性的行為も「不貞行為に当たる」として女性に賠償を命じる判決を言い渡したことが16日、分かった。
不貞慰謝料の請求事案で、同性の判例というのは非常に稀有な事案でしたので離婚事例・判例ラボでもご紹介いたします。
判旨は下記引用のとおりです。
令和元年に原告の30代男性が、妻と性的な行為に及んだ女性を提訴。女性側は、不貞行為は「異性との行為を意味する」などとして同性同士の行為は対象にならないと反論していた。
今年2月16日の判決は、不貞行為は男女間の行為だけでなく、「婚姻生活の平和を害するような性的行為」も対象になると指摘。「同性同士の行為の結果、既存の夫婦生活が離婚の危機にさらされたり形骸化したりする事態も想定される」として、妻と女性の行為を不貞行為と認定した。
そもそも不貞行為とは、夫婦・婚約・内縁関係にある男女のどちらかが、配偶者以外の異性と自由意志で肉体関係を持つ「貞操義務違反」とされており、法律上は民法第770条第1項に規定された、法定離婚事由となりえることが定義されており、「貞操義務」に関しては、夫婦が互いに性的純潔を保つ義務のことで、守操義務、誠実義務とも呼ばれています。 日本の婚姻制度は一夫一婦制をとっていますし、その実質は「性的に結合することによる人格的な共同生活関係」だと位置づけられているため、夫婦は互いに配偶者以外の者と性交渉をもつべきではないと定義されています。
本件は、不貞行為定義における「配偶者以外の異性」の点と、貞操義務定義における「夫婦が互いに性的純潔を保つ義務」の点が争点になったといえます。
不貞行為をめぐる訴訟は時代の変化とともに、解釈も変更されており、性別に捉われず、事象の本質・害悪影響にを重視する司法判断も変化してきていると編集部では判断しています。
まとめ
今後も編集部では、最新の家事事件トレンドやニュースを取り上げていきます。今後もよろしくお願いいたします。
離婚事例・判例ラボ編集部
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